WACATE 2025 夏 無事終了しました。

WACATE 2025冬は 12月20,21日 新習志野(トーセイホテル&セミナー幕張)で開催予定です。

WACATEとは

Workshop for Accelerating CApable Testing Engineers:内に秘めた可能性を持つテストエンジニアたちを加速させるためのワークショップ

目的

名前のとおり、「若手でテストに興味がある者」を主な対象とし、夏と冬、年に2回開催しています。1泊2日の泊りがけで、様々なセッションやワークショップに参加し、参加者との交流を深めることで成長していただくことを目指しております。

「若手」

WACATEでは「若手」を、テストに関する業務経験を問わず「35歳以下」と定義しています。自身や相手の業務経験の長さなどは一切気にせず、若手同士で2日間、テスト技術について徹底的に考え、議論を交わし、気づきを得ていただきます。

実行委員

若手を主体とした、WACATEの運営のための活動をボランティアで行います。日々の打ち合わせやコンテンツの作成、当日の運営など、全てを手弁当(自腹)で活動しています。また、実行委員といえども当日は規定の合宿費を支払って参加します。

コンセプト

以下の3つのコンセプトをご理解いただいた上で、WACATEへご参加ください。

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若手が主役

WACATEの主役はあくまでも若手エンジニアです。36歳以上のベテランの方の参加ももちろん歓迎ですが、若手が積極的に議論に参加できるよう、配慮いただくようお願いします。

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手を動かす

WACATEは座学のみのセミナーではなく、個人演習、および、グループ演習の時間をふんだんに取り入れています。したがって、受身ではなく、自ら参加し学ぶという態度が求められます。

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みんなで成長する

WACATEは、参加者はもちろん、講演者も運営委員も、全ての方が開催を通じて成長していく場です。それぞれの立場で、失敗を恐れずに、前向きにチャレンジしましょう!

最新の記事

最近の実行委員ブログの記事です。

WACATE実行委員に興味がある人の検討を加速させる


こんにちは。WACATE実行委員の村穂です。

前回のWACATEで「実行委員をやってみたい」というアンケート回答を多くいただきました。WACATE実行委員になるには、夏と冬の両方のWACATEに1回ずつ参加した経験が必要です。

この条件を満たした上で「実行委員をやってみたい」と思っているものの、何かしら不安や疑問があって一歩が踏み出せない方へ、判断材料となる情報を提供するためにこのブログを書きました。

私の予想では、おそらく以下のような点が不安や疑問として挙げられるのではないでしょうか。

  • どうやったらWACATE実行委員になれるのだろう?
  • 実行委員になったら何をしないといけないんだろう?
  • 自分に実行委員の活動ができるのだろうか?
  • 実行委員の活動は自分にとってどんな価値があるんだろう?

これらのポイントについて、それぞれ回答していきたいと思います。

 

どうやったらWACATE実行委員になれるのか?

先ほども記載した通り、夏と冬の両方のWACATEに1回ずつ参加した経験が必要です。

上記の条件を満たしたあと、本会終了日に提出するアンケートや、WACATEサイトに掲載されている公式メールアドレスから実行委員になりたい旨を伝えることで、現実行委員とのやりとりがスタートします。

希望を出したとしても、すぐに実行委員になるわけではありません。まずはメールで実行委員の活動内容や期待される動きについて確認していただき、同意いただけた場合、初回のMTGに参加していただきます。そこでお互いの自己紹介や不明点について話をして、その上で実行委員として活動するか最終的に判断していただく流れになります。

ちなみに、私が参加を希望した時は、上記のような流れの中で本業との両立についての不安を相談したところ、不安が解消できたので最終的に参加することにしました。

 

実行委員になったら何をするのか?

活動期間について

夏の会、冬の会それぞれの準備に約半年ほどの期間を要するため、ほぼ1年中活動することになります。

具体的な活動内容

基本的には隔週3〜4時間のMTGを開催し、テーマ決めやセッションの内容レビューなどを行います。MTGは基本的に話し合いがメインですが、状況に応じてもくもく会なども開催します。

本会に向けた準備は大体以下のような流れで進めます

  1. その時の会のテーマを決める
  2. テーマに沿ったセッション内容や招待講演者の候補を挙げる
  3. セッション内容や招待講演者を決定する
  4. 各自でセッションの準備を行ったり招待講演者への連絡をする
  5. 募集のためサイトを更新したりSNSなどへの投稿を開始する
  6. 参加者からの問い合わせに対応したりホテル側と連携する
  7. セッションの内容をレビューしてブラッシュアップする
  8. ポジションペーパーの冊子や景品を用意する

セッションの準備ですが、1セッションにつき1名が準備担当者になることが多いです。複数人で担当する場合もあります。セッションやワークショップの準備に慣れるまでは、ゴール設定が曖昧で手戻りが発生したり、事前の学習に時間がかかったりと大変かもしれません。困った時は早めに他の実行委員に相談できれば、なんとかなると思います。

 

自分に実行委員の活動ができるのか?

自分が何をするかは自分で決められるので、できる範囲で「こういうことならできるので、これをします」という動き方ができればWACATE実行委員の動きとしてはベストだと思います。

逆に、したいことやできることを表明せず「何をすればいいか教えてください」というスタンスだと、WACATE実行委員が求めている人物像と異なるため、お互いに気持ちよく活動できないと思います。

また、WACATE の第一義は以下の通りです。

WACATEの活動は、第一義として社会貢献です。WACATEという場を設け、それを通じて次世代を担う若いテスト技術者の成長を促し、ひいては日本の産業界をより発展させることを目的としています。

この目的に向かっていくことが難しい場合、活動は難しいと思います。


実行委員の活動にはどんな価値があるのか?

あなたが何に価値を感じるかわかりませんが、WACATE実行委員になると、テストやQAに関することだけではなく、ワークショップの設計についてもたくさんの議論が発生します。またMTGのファシリテーションやスライド作りなども発生します。これらの活動を通じて、それらの知見やスキルを得られることが期待できます。

また、私が個人的に感じている WACATE 実行委員の魅力は以下になります。

  • WACATE というユニークな場の実現に関与できる
  • 色々な人の本気の考えに触れることができる(WACATE は参加者や実行委員の「好き」や「情熱」で成立している活動なので(個人的な意見です)、内発的な、その人ならではの意見や考えに触れられることが多い)

 

おわりに

ここまで、予想される不安や疑問に回答する形でWACATE実行委員に関する情報をお伝えしてきました。私個人としてはもっと実行委員が増えて欲しいので、ぜひこの記事を参考にしていただき、ご検討いただけると嬉しいです。
また「実行委員になることは難しいけど、何かしらの形で実行委員の活動や WACATE の活動をサポートしたい」と思われてる方へ、参加者としてリピート参加していただけることが強力なサポートとなりますので、ご参考にしていただけますと幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。 引き続きWACATEをよろしくお願いします。

 

私が2日目の最後にフィードバックしたかったこと


WACATE 2025 夏に参加いただいた皆さん、お疲れさまでした!

各班の発表後にお話ししたフィードバックですが、時間が足りずに伝えきれなかった部分がたくさんありました。そこで改めて、皆さんにお伝えしたかったことをまとめてみました。参加していない方には「何の話?」という内容かもしれませんが、ご容赦くださいね。

 

はじめにお断りを…

このフィードバックは、各班3分間の発表とワーク中に拝見した内容をもとに書いています。発表では触れられていなくても、実際にはここで挙げるポイントをしっかり実践されていた班もあると思います。「ちゃんとやってたのに、なんで指摘されるの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、その点はご理解ください。

また、あくまでも、私ブロッコリーの個人的な意見です。WACATE実行委員会の総意ではない点もご理解ください。

 

1. 「このシステムならでは」を意識できていましたか?

「テストしたいこと」を見ていると、宿泊予約システムなどといった他の予約システムでも同じようなことが書かれているケースがありました。これって、今回の業務ならではの部分をしっかり理解できていないサインかもしれません。

発表で「閉店時間を考えると…」や「このシステムでは、お金よりもまず予約が取れることが重要だから…」といった意見が出ていたのは、とても良い視点だと感じました。そのシステム特有の観点を見つけられると、テストもより価値のあるものになりますね。

 

2. 取捨選択のタイミングは実は2回あります

今回のワークでは、テスト内容を絞り込むチャンスが2回ありました。

1回目は、テスト分析での優先度付け。ここで「これは優先度が低いからやらない」と判断できたはずです。

2回目は、テスト設計時の網羅基準設定。ルールに従ってケースを洗い出した後、「このケースは実際にはテストしない」と決めるタイミングです。

普段の業務でテスト分析やテスト設計を頭の中だけで済ませがちな方は、この取捨選択が曖昧になっているかもしれません。「なぜこれを選んで、なぜこれを捨てたのか」を明確にしておくことって、意外と大切なんです。

ちなみに、「デシジョンテーブルで表現したけど、ケース数が多くなったのでペアワイズで削った」という発表がありましたが、これは「デシジョンテーブルテスト」と「ペアワイズテスト」を混同されているように見えました。テスト技術は正しく理解して使いたいですね。

 

3. 想定外で見つけた不具合こそ振り返りのチャンス

テスト実行で時間が余って、当初のテスト設計では考えていなかった部分をテストした方もいると思います(これを「探索的テスト」と呼ぶ人もいるかもしれません)。

そこで不具合を見つけても、「ラッキー!」で終わらせないでください。「なぜ最初のテスト設計で拾えなかったんだろう?」を振り返ってみてください。

今回は偶然その部分を見ただけかもしれません。でも、こういう不具合をもっと確実に見つけるには、テスト設計の段階で組み込めるはずです。この振り返りも、テスト完了というプロセスでやるべき大切な作業の一つだと思っています。

 

4. 自分たちの現場に合わせてアレンジしてください

今回は要求仕様書と受け入れテスト計画書があったので、3色ボールペン法を使った仕様書読み込みをプロセスに入れました。

でも皆さんの現場はどうでしょう?「もっとしっかりしたドキュメントがある」という組織もあれば、「Figmaの画面デザインしかない」という組織もありますよね。

画面デザインしかない環境なら、3色ボールペン法はあまり役に立たないかもしれません。でも画面により注目することになるので、業務分析をもっと丁寧に行うプロセスがあっても良いかもしれませんね。

また、「普段はテスト手順なんて詳しく書かない」という組織もあるでしょう。それはそれで構いません。ただ、「自分たちはテスト実装というプロセスを省略しているんだな」と自覚しながら業務に取り組むことが大切だと思います。

今回のやり方は、WACATEなりの一例にすぎません。「これが絶対的な正解」と言いたいわけではありません。黒木さんのセッションでもお話があったように、テストプロセスには様々な定義があります。皆さんの組織に合う形にテーラリングしてみてください。

 

最後に

偉そうなことをたくさん書きましたが、私も日々勉強中です。皆さんと一緒に切磋琢磨しながら、より良いテストについて考え続けていきたいと思っています。

WACATEの内容や今回の投稿について、疑問や意見がある方はぜひ教えてください。お待ちしています!

WACATE2025夏:景品の本の紹介


今回のWACATE2025夏でも3賞の景品と抽選で本をプレゼントさせていただきました。

この本は、以下のような理由で選んだ本です。

・招待講演者の方に選んでいただいた本
・WACATE2025夏のセッションを作るにあたり読んだ本
・セッション内容に関連してWACATE実行委員が勧めたい本

参加者皆さまの参考になる良い本だと思いますのでブログで紹介します。
 

書籍名 リンク
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ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第5版 シラバス2023対応 Amazon
ソフトウェアテスト技法練習帳 ~知識を経験に変える40問~ Amazon
ソフトウェアテスト技法ドリル【第2版】テスト設計の考え方と実際 Amazon
現場の仕事がバリバリ進む ソフトウェアテスト手法 Amazon
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参考になれば幸いです。